健康で快適アンチエイジングな生活

森末慎二(以下森末): アンチエイジング・・・。雑誌などで目にする言葉ですが、一体、アンチエイジングとはどういうものなんですか?
久保田潤一郎先生(以下先生): 直訳すれば「抗老化」ですね。外見だけの「若返り」という言葉でもつかわれているようですが・・・。当協会がいう「アンチエイジング(抗老化)」とは、「健康でバ精神と肉体の獲得の上に成り立つ」と考えられています。例えば、高血圧・糖尿病や心臓病、シミ・シワといった生活習慣病を未然に防ぐという予防医学の重要性等ですね。
森末: 見た目を変える医療だけではダメだから、生活習慣全部ひっくるめて大きく考えようということなんですね。
先生: ボロボロの体に強力なエンジンをつけて、無理やり走らせるのはどう考えても良くないでしょう?
森末: でも、そこまで大きな企画ですと、先生だけでは、どうにもならないこともあるんじゃないですか?医療じゃない知識や資格も含めてとなると・・・。
先生: そうですね。QOLという言葉が盛んに叫ばれている中、「生活の質」をいかに高められるかが、本当の意味でのアンチエイジングだと思うんです。薬や栄養だけでなく、住宅の専門家など、衣食住を網羅する知識やノウハウを持った人達を集めて、フランクに話し合え一般の方々に情報公開していける協会を目指しています。部屋に閉じこもって寝たきり状態で生かされているのではなくきちんと動けて社会に支援したいんです。これは、絶対に誰かがやらなきゃいけないことだと思っています。
森末: なるほど。これから高齢化社会に入っていく世の中にとっては、うれしいニュースですね。
先生: 森末さんの体力ですが現役時代とどう変わりました?
森末: 体操競技というのは、瞬時に筋力を使うスポーツですので、瞬発力を含め、体力は現役に比べると衰えましたね。
先生: 食事は合宿で管理されていたんですか?
森末: オリンピックでは、朝食はご飯に、納豆、味噌汁、のりで毎朝同じ。夕食は勝手に外食。ですから、食事制限はまったくナシ。単にお腹が空いたら何かを食べるだけでした。
先生: 森末さんが現役のころに、厳しく食事指導がなかったという背景には、普段から良い素材を使った料理が食べられたという影響があるんじゃないのかなぁ。野菜の作り方が変わったから、土からビタミンやミネラルをたっぷり吸収できなくなったのでは?と言う先生もいます。昔も今も食事の考え方が変わらないのに、食べ物だけが様変わりしてきたから、余病が増えてきたということですよね。そういえば、森末さんは痛みの出る個所があるんじゃないですか?
森末: ありますねー(笑)。
先生: ちなみに、怪我で手術したスポーツ選手は、どれくらい休養が必要なんですか?
森末: 競技によりますが、僕の半月板損傷は3週間でした。
先生: えっ!たったの3週間!?
森末: 試合は待ってくれませんからね。それにしても、怪我をする度に、体ってすごいと思います。傷ついた内側を守るために、筋肉がガチッと固まるんですよ。手術してギブスを外した時に、まだ周りの筋肉がガチガチなので、リハビリ前に自分でマッサージに行きました(笑)。
先生: さすが森末さん、わかってらっしゃいますね。筋肉が硬いままリハビリなんて、絶対にやってはいけないですから。今は、使わない筋肉に働きかけて使える状態に保つ機械も出てきています。スポーツ以外でも、肥満などには効果大。筋肉が少ない肥満の状態には、まず体に燃える部分の筋肉を作ってあげることが必要です。それに食事のアドバイスを取り入れて個人的な相談を行います。

レーザー治療の可能性

先生: この20年くらいでずいぶん研究が進んで、レーザーを弱い力で当てると、光活性効果で悪い部分を治したり、痛みを抑えたりできるようになりました。
森末: 光を当てるだけで、筋肉を壊れる寸前まで使っても、痛みで試合を断念することもなく、ドーピングにもならない。
先生: そう。血液が循環すると痛み物質が流れます。それを利用した機械なんです。血流が上がると神経に作用して痛みを抑制するとか、光を1箇所に当てても広範囲で血流がよくなるという実験結果もあります。それに、痛みをとるだけでなく、組織を元のように修復する効果も。実は光を使った治療の歴史は長いんですよ。昔は、紫外線とか赤外線・マイクロウエーブといった光線を使う治療法があったんですが、時代の流れや副作用の出現で一部は消えていきました。
森末: 僕らの時代は超音波が流行ってましたね。
先生: あれは超音波で深い部分を振動させて熱を与え、温熱効果を利用したものです。でも、やりすぎると熱があがって、骨がボロボロになるんですよ。今、レーザーの分野は世界中で開発競争が行われています。また、ようやくFDA(米国食品医薬品局)に認可されたので、今後ますます進んでいくでしょうね。もちろん日本でも認可はされていますが、保険診療の点数が低いのが原因で、医者が使わず広がらないという現状です。
森末: それは寂しいですね。ちなみに、痛くないんですか?
先生: 大丈夫、全然痛くないですよ(笑)。弱いエネルギーでも、深部にまで影響を及ぼすんです。しかも照射時間は10分くらい。
森末: 10分でいいんですか!こんな便利な機械が現役時代にあったらなー。今後は、必要としている人々が身近に利用できるように、もっと普及してもらいたいですね。

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